Mind Inerview08「楽しみつつもしっかり仕事もしようぜって」荒木香里 サービス

Index

  • 01 断り続けた「キャプテン」
  • 02 「笑顔」と「涙」
  • 03 泣いてくれる先輩
  • 04 「夢」の舞台裏

Chapter01 断り続けた「キャプテン」

ダマされて転職!?

荒木さんは「サービスコンシェルジュ」と伺っていますが、お仕事の内容を教えていただけますか。

荒木結婚式の当日、新郎新婦様をエスコートしたり、進行を回したりといった現場の仕事ですね。私のような役回りの者を、サービスの中では「キャプテン」と呼ぶんですけれども、とにかく現場に関わること全般の判断をしています。。

現場の監督的な立場なんですね。

荒木監督、なんですかね? サービスって「縁の下の力持ち」のような裏方の仕事だと思っているんです。プランナーがお客様と接するのがメインだとすれば、キャプテンは現場のスタッフをまとめるのが主な内容ですかね。

「ALL FOR ONE.」へ入社される前は?

荒木前の仕事は「カフェの店員」でした。飲食の接客はすごく好きでしたが、でもそれだけもなんだかなと思っていたんです。その後「グランシェフの水口一義と共通の知り合いの方」に紹介してもらってここに来ました。

カフェの仕事はどのくらい?

荒木4年間くらいです。

では、ブライダル業界は初めてだったのですね?

荒木そもそも、その水口との共通の知人にはブライダルをする、レストランをするって聞いていて、そのレストラン部門へ入るっていう気ではいたんですけど、まさかこんなにブライダルがっつりの部門とは。ちょっと騙されました……(笑)。

一年でサブから昇格

実際に働いてみて「ALL FOR ONE.」はいかがですか?

荒木「仕事の責任感」というか、重みがすごいんです。でも、山場を越えてからはすごい楽しくなってきましたね。

「山場を越えた」っていうのはどんなときだったのですか?

荒木「キャプテンをしないと」って腹をくくったときですかね。

キャプテンになったのはいつ頃なんですか。

荒木二店舗目の「ヒューリ カモガワテラス」のオープンの頃に「新店舗でキャプテンがいない」となって、これは自分が手を挙げないといけないなと思いまして。

そのときにはもう「ALL FOR ONE.」で働きだして長かったのですか?

荒木一年くらいですかね。それまでは「サービスの一スタッフ」といった感じで、今のように婚礼を回したり、アルバイトの教育をしたり、シフト管理をしたりといったことはしていませんでした。キャプテンのそばでサブの仕事をしていたのですが、その一年間で「結婚式の流れ」がだいぶわかってきたんです。

それまではずっとサブで。

荒木そうですね。2014年の年明けぐらいまでは、支配人の箕輪に「キャプテンどう?」って言われていて、取締役の北村にもずっと「キャプテンやらないか?」って言われて。その頃は「サービスの社員がキャプテンをする」っていうのが頭になかったんです。普通の一サービス員として料理を出したり下げたりしてお客様と接していくとしか思っていなかったんです。だから、自信がなくて「嫌です」と断っていました。

キャプテンを務める覚悟

上司の方から打診はあったんですね。

荒木箕輪と北村に「嫌です」って断り続けてたんですけど、でも二店舗目を開くとなって、自分が出るときが来たなって。「キャプテンの勉強しよう」って思ったんです。

それまで「嫌です」と断っていたのに、覚悟されたと。

荒木二店舗目の「ヒューリ カモガワテラス」は、元々キャプテンをされる予定の方がいて、私はその人のサブについて、キャプテンの勉強をしていたんです。オープンに先立って、模擬結婚式などの準備を進めている中で、その人がインフルエンザにかかってしまって。準備の疲れからか体調崩してしまったんですね。それで「あぁ、これはやらなあかんな」って思って。

そんな事情があったんですね。

荒木そこで箕輪に「ちょっと荒木いい?」って呼ばれて、「なんの話か分かってるよね?」って言われて「はい、受けます」って腹をくくったんです。

その決断をされる前、キャプテンの勉強をしようと思った理由はなんですか?

荒木それはやっぱり「二店舗目を開く」っていう事情でしょうか。でも、もしかすると、一年間ずっと働いてみて、どこかで「やりたいな」じゃないですけど「いいな」っていう気持ちはあったのかもしれないですね。

Chapter02 「笑顔」と「涙」

「嫌な顔」がない仕事

ブライダル業界は「ALL FOR ONE.」が初めてだと伺いましたが、入社した当初はいかがでしたか?

荒木正直なところを言うと、入社して最初の頃は前の仕事を辞めたことをとても後悔したんです、本当に辛くて。

慣れないこともあり?

荒木慣れないことばっかりで。

しかもレストラン部門と思って転職したわけですよね?

荒木レストランもあるけど、メインではなかったので。最初の頃は「なんでレストランの仕事じゃないんだろう」という気持ちと、本当に純粋に結婚式に感動する気持ちの両方がありましたね。新郎新婦のお二人の幸せそうな顔とか、ゲストの方もそうですけれど、やっぱり嫌な顔をする人がいないじゃないですか、結婚式に来てる方って。そういう人たちの笑顔を見ていると楽しいなと思います。

現場に出ているうちに、ブライダルのお仕事の楽しさがわかってきた、と。

荒木新婦様の手紙を預かる役目をしていたことがあったんですけれども、そのスタッフの私が一番泣いているっていうこともありました(笑)。

思わず涙、ですね。

荒木まだ慣れない環境での仕事でしたし、気持ちの面でいっぱいいっぱいだったのかもしれません。もちろん感動したのは事実なんですけれども。今でも、忙しいとそこまで気が回らないんですが、ゆったりしている時とか、思い入れのある新郎新婦様の挙式は、気を抜くとぽろっときてしまいそうになりますね。

どのようなお客様に思い入れがあるのでしょうか?

荒木事前に試食会や会場への搬入などでお会いしたことがあり、直接お話している方の担当のときは、思い入れが強くなるというか。「仲良くしてきた期間が今日で終わってしまう」と。もちろん「終わり」ではないんですけど、継続的にいらっしゃることがなくなるじゃないですか。だから、仲良くなった新郎新婦様二人の当日を迎えたときは、とても楽しい反面、思わず泣きそうになってしまいます。

当日だけの人?

他にもお仕事をされていて嬉しいことがあれば教えてください。

荒木お客様の心に残るスタッフって、やっぱりプランナーさんだと思うんです。ずっとそばにいて、成約もして、打合せもして、準備も手伝って、お見送りもするのがプランナーさんじゃないですか。でも、たまに試食会などをきっかけに仲良くなって「何々さん、荒木さん」って呼び合えるくらいの仲になったお客様が、「荒木さん、一緒に写真撮ってください」って言ってくださるんですよ。その時は本当に嬉しいですね。

サービスの方も事前にお客様にお会いするんですね。

荒木普段は「裏方」、縁の下です。基本的にはやっぱり「当日だけの人」なので、お客様からなかなか声をかけてもらえないんですね。今年の2月の頭、まだキャプテンを始めたばかりの頃のお話ですけど、披露宴が終わって退場して、お開きの送賓も済んでその後に、普段だったらプランナーさんと美容さんだけ呼んで写真とるんですけど「荒木さんも一緒に」って言ってもらえたのはとても嬉しかったですね。

一緒に写真を撮るのはプランナーさんと美容さんのケースが多い?

荒木そうなんですけども、たまに「スタッフさん全員来てください」といって、キッチンもサービスも集まって撮ることがあります。それももちろんとても嬉しいんですけど、やっぱり個人で呼ばれる時がとても嬉しいですね。

ゲストの「うるうる」

忘れられないお客様は?

荒木「お二人のお人柄」というかカラーがでている式は感動しますね。

その中でも特に印象的な式があれば教えてください。

荒木新郎新婦様が退場した後、会場内にエンドロールが流れるんですけど、その間にスタッフから「結びのご挨拶」をするんですね。それをキャプテンが代表して行うんですけど、私ちょっと長めに喋るんです。「おめでとうございます」って。

キャプテンがご挨拶されるのですね。

荒木「お手伝いしたスタッフからの挨拶」っていう感じで。「ご両家の披露宴お開きになりました」っていう話から、私はお二人の名前を呼んで「ご結婚おめでとうございます。どんなことが起きようとも、この先も幸せな家庭を築いてくださいね」ってメッセージを伝えるんですけど、私のその挨拶の最中にゲストの方が感動されている、うるうるされている時は、私までちょっとこみ上げてしまいます。

Chapter03 泣いてくれる先輩

厳しさと優しさと

お仕事をされるなかで「悔しい思い」をされたことはありますか?

荒木私のキャリアはまだ短い方ですが、任されている仕事が「お客様にとって一度しかないもの」ですので、プレッシャーであったり、求められるものがすごくて。それができなかったときは、先輩のスタッフに「荒木、なんでああいう時こうしなかったの」って怒られて、そのたびに泣いてました。

具体的にどういったことがあるのですか?

荒木「ドン・ペリニヨンを演出で使った式」だったんですけれど、新婦様はちょっと控えてあまり飲んでなかったんですね。新郎様と親類の方は「カンパーイ!」って感じで結構飲んでいたんですけど、新婦様は飲んでいなかったんです。

シャンパンはアルコール度数もありますからね。

荒木ゲストのお見送りが終わって、お客様が控室に戻られて服を脱いで、リラックスした時間に、披露宴のお食事を出すんですね、お部屋に。

そうなんですね。

荒木コースの中の半分は披露宴の中で出ていて、後半のものをお部屋でゆっくり食べるんですけど、そのお食事が終わるくらいに、先輩の髙田に「ドンペリ余ってるんですけど」って持って行ったんですね。そうしたら髙田が「荒木。お二人がこれを購入して、新婦さんがあの時飲んでないのは見てたよね。なんでお食事と一緒に出さなかったの」って。

見ていたのに気がつけなかった。

荒木その時に気を回せなかったんです。本当は隠してしまおうかなと思ったんですよ、余ってることを。怒られると思って。持っていったら案の定怒られて……。

怒られることはわかっていた?

荒木怒ってくれるのはいつも髙田なんです。厳しくもあり、でも一緒に泣いてくれたりもするんで。

一緒に泣いてくれるというのは?

荒木そのドンペリのときも泣いてくれましたね。どうしてもそういう時は言葉がきつくなってしまうので、髙田も言った後で「あっ」と気がつくのだと思うんですよ、涙を流してくれるっていうことは。怒りはするけど「私も悪かったなぁ、荒木も大変やろうけど」って感じで。

一緒に泣いてくれる人がいるって素敵ですね。

荒木厳しくもあり優しくもある先輩だと思っています。

Chapter04 「夢」の舞台裏

自分自身が楽しむ

スタッフの方に伝えていることはありますか?

荒木支配人の箕輪は「婚礼は生ものだから」っていうのを、私たちのサービスのミーティングで言うんです。だからアルバイトの子たちにも「あなたたちはそういう仕事をしているんだ、そういう意識を持ちなさい」って伝えていますね。

荒木さんはキャプテンとしてアルバイト管理をされているんですよね。アルバイトの方に一番気をつけて欲しいことはなんですか?

荒木「笑顔を忘れないで欲しい、ゲストの皆さんは笑顔だから」っていうのと、「緊張は当然するけど、自分自身も結婚式を楽しみなさい」って思っています。そうすると自然と式を盛り上げられたりするじゃないですか。

どういった盛り上げ方があるんですか?

荒木例えば、入場の曲がかかって、扉が開いて二人が入ってきて、一礼をして、ちょっと間その場で立ち止まってもらって、ゲストの皆様に写真を撮ってもらって、お二人が歩き始めるときに、お二人を会場から手拍子で迎えてあげて欲しいと私は思うんですね。私も楽しいことが好きなので、ゲストの方が手拍子をしてないのであれば、スタッフで裏から手拍子を始めてお二人に歩いてもらったり。そういった会場の雰囲気づくりっていうんですかね。

大事なことですよね。

荒木バルーンリリースのバルーン配りながら、余っていたらスタッフも「いぇーい!」って楽しんでリリースしたりとか。ウェルカムパーティをガーデンでやってるときに、後ろのほうで拍手しながらノリノリで歌ってるみたいな。ゲストの方には見えてないんですけれども。

「仕事だから右から左へこなす」ではなくて、スタッフの雰囲気も伝わると。

荒木楽しみつつもしっかり仕事もしようぜって。

それをアルバイトの方にも伝えているのはすごいと思います。

荒木それだけじゃなくてもちろん怒るべきところでは怒って、締めるところは締めるんですけど。関西弁なので本当にみんな引くぐらいだと思うんですよ。「お前なにしとんねん、なんでできてへんねん!」とか言うんです(笑)。

「楽しんで」というスタンスはどなたかに言われたことですか?

荒木自分で考えて伝えていることです。代表の澁田が「仲間を見捨てない」ってよく言います。サービス現場で「みんなが頑張っています」って言えるようにしたいと思っています。

エンターテイナーとして

様々なお話を伺いましたが、今後の展望、目標があればおしえてください。

荒木ボウ・デパール、一店舗目をここに建てたのは、京都って昔ながらの地域性があって、縦にも横にも繋がりが強くて。良くも悪くも評判広がるの早いからっていう話があるらしいんですね。だから「やっぱりあそこっていいよね」って言われるような、楽しい会場にはしていきたい。自分自身も楽しんで、バイトの子たちにも楽しんでもらって、お客様を楽しませる。サービスってエンターテイナーでもあるのかなって。パフォーマーというか。

夢を見る場所という感じで。

荒木髙田がよく「お客様には当日は夢のままでいてほしい、だからお見送りが終わって会場の扉を閉めて、ドンデンって組み替え撤去したり出したり準備したり、そういうところは絶対見せたくないって」って言うんです。その楽しい気持ちのまま帰ってもらえるように雰囲気づくりをしていきたいですね。

「楽しみつつもしっかり仕事もしようぜって」荒木香里

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