Mind Inerview05「一緒に作っていきたいって人もいるんですよ。」 阿部美奈子 プランナー

Index

  • 01 新郎友人から「突然の提案」
  • 02 「らしさ」を引き出せ
  • 03 「アルバム」でサプライズ?
  • 04 フォーマットなき演出
  • 05 会場を決める「条件」

Chapter01 新郎友人から「突然の提案」

アルバイトからの入社

阿部さんの職種はなんですか?

阿部はい、私はプランナーです。

今までの職歴を教えていただけますか。

阿部ブライダルはここが初めてです。入社する前は飲食店でアルバイトをしていて、はじめは営業事務のアルバイトとして「ALL FOR ONE.」に入りました。

はじめは「アルバイトとしての入社」だったんですね。

阿部そこからプランナーを目指して、先輩方にいろいろと教えていただいて、今は社員としてプランナーを務めています。

お仕事をされている中で、印象に残っていることを教えてください。

阿部「いい話」なんですけど「悪い話」でもあるというか。昨年の2月に担当したお客様で、式にサプライズが三つあったんですよ。「新郎から新婦へのサプライズ」、「新婦から新郎へのサプライズ」、あとは「新婦家族から新婦へのサプライズ」、って三本立てで。

三本は多いですよね?

阿部でも、サプライズって「進行表」に載せられないじゃないですか、お二人に見せる進行表には。だから時間組みが難しくて。さらにもう一つ、新郎様のご友人から「サプライズをしたい」って急に言われたんですよ。

式の当日に?

阿部そうです、披露宴中に。でも断れないじゃないですか。

難易度が上がっていくけども……。

阿部そうなんです、誰に何を言うのか気を遣います。

この人にこのサプライズを教えていいけど、あっちの人には……のような。

阿部それで、なんとかその「ご友人のサプライズ」も組み込んで、披露宴の終了時間がすごく押してしまったっていうのが失敗です。列席者の皆さんは「帰りの電車の時間」などそれぞれご都合があるので、決められた時間内でやるのがプロなんですけど、でもやっぱりサプライズもしてあげたいって、ジレンマっていうんですかね。

間違えてしまったら大変ですよね。

阿部結果的には全部成功して、お二人もすごい喜んでくださって、もうプライベートでも遊ぶくらい仲のいいお客様なんですけど。でも、ゲストからしたら、もしかしたら帰りの時間とかあったかもしれないのに、ちょっと遅くなってしまって、失敗談のひとつかなって。

Chapter02 「らしさ」を引き出せ

プレゼントをいただいて

お客様から言われて印象に残っている言葉はありますか?

阿部ちょうど先日の結婚式で、列席者であるゲストの方をお見送りしていたんですが、ゲストの方が「お料理がすごく美味しかったです」って仰ってくださったんですよ。なかなかないじゃないですか、わざわざゲストの方がスタッフに「ありがとう」って言ってくれるのは。

ゲストの方にもお言葉をもらえる。

阿部新郎新婦のお二人から感謝のお言葉をいただいたりとか、何かプレゼントをいただいたりするのも、もちろんとても嬉しいですし。

プレゼントをもらったりすることがあるんですね。

阿部ユニフォームをもらいました、日本代表の。

何のですか?

阿部サッカー日本代表のレプリカのユニフォームです。スポーツブランドにお勤めの新郎様で、ちょうど三月だったのでワールドカップ前に最新のユニフォームをいただきました。「阿部さんに」って。

それは、サプライズとか余興とかで使ったものではなく?

阿部じゃなくってです。「ABE」って入れてくれて。背番号3番も入れてくれて。

いいお話ですね。

阿部楽しいお仕事なんです。私も結構サッカー好きなので、打合せのときなんかに新郎さんに「ちょっと安くしてくれませんか? ユニフォーム買いたいんです」ってずっと言ってて、でもあんまりいい反応されなかったんですよ。

安く売るのは難しそうな感じで。

阿部「あっ、ちょっと聞いときますね」みたいな感じの反応で、部外者の人に売ったらダメなんだと思ってたら、結婚式の前の二、三日前に会場来た時に「これプレゼントです」って渡してくださって。だから私に売ってくれなかったんだと思って。準備をしていたから。

打合せは5回だけ

なぜそこまで仲良くなれるんですか? プレゼントをもらえるお仕事ってあんまりない気がしますが。

阿部いいお客様が多いんです。

式までの打合せの回数は決まってるんですか?

阿部全部で五回です。

回数がきっちり決まっていても、その中でそんなに仲良くなってしまう。

阿部「しんどい時」も一緒に乗り越えたり。

「しんどい」っていうのは? 新郎新婦様がケンカをされたり?

阿部それもありますし、準備が上手くいかない、「仕事しながら招待状作れないよ」とか。でも「大丈夫ですよ、頑張っていきましょうね」って感じで。

五回でそんなに仲良くなれるんですか?

阿部どうして仲良くなるんですかね。気がついたら仲良くなっています(笑)

打合せ一回は、どのくらいの時間?

阿部だいたい二、三時間です。通常は、四ヶ月間の中で五回やるんですよ。でも、例えば東京にお住まいの方は、京都まで何回も来られないじゃないですか。

遠方の方もいらっしゃるんですね。

阿部そんなに頻繁に来るのは難しい。だから打合せの回数を二回にして、その分一回の打合せの時間を長くする、といった場合もあります。

初回で築きたい「関係性」

打合せのときに心掛けていることはありますか?

阿部「お二人らしさを引き出すこと」ですね。誰にでもプランニングってできると思うんです、普通のものだったら。でも、「お二人らしい演出」を何か一つは入れるように心掛けています。

どのように「お二人らしさ」を引き出すのでしょうか?

阿部「カウンセリング」っていうのをやるんです。質問用紙を渡して、書き込んでもらって、それを「初回のときに持ってきてください」っていう風にしています。それを見ながら自分でメモしたり。初回の打合せで関係を築くことが一番大事って言われてます。

どんな関係を築くことが目標なんですか?

阿部ざっくり言ったら、「楽しく話せるような、仲良くやっていけそうみたいな関係」を目指します。心を開いてもらって。

それがないとやっぱり上手くいかない?

阿部いかないと思います。

次回の打合せに来なくなっちゃうとか、そういうことですか?

阿部いや、なにか気になることがあっても言わないとか。お客様の中で、溜め込んで、溜め込んで、爆発してクレームになったりとか。コミュニケーションが取れてたら、ちょっとしたことでも言ってくれて「あっ、ごめんなさい。こうこうこうでした」で済むことも、溜めこんで「大きな不満」になったりするので。

最初の関係が重要なんですね。

阿部その関係がないとお客様も言いづらいじゃないですか。「やりたいことあったのに……」ってなりかねない。

ひとつひとつ作り上げるってことなんですね。

阿部実は、私バンドをやってたんですよ。だからみんなでなにか作り上げるのが好きで。お客様と一緒に作り上げるブライダルも同じです。だからお客様が要望を言ってこなくても趣味を聞いたりして、提案します。「これやりましょう」「あれやりましょう」っていうのが好きなんでしょうね。

新郎新婦が消防士

「お二人らしさを引き出せた演出」を具体的に紹介してもらえますか?

阿部以前、ガーデンで「お菓子撒き」をしたんですよ。ダンボール箱いっぱいにお菓子を用意してもらって、それをゲストに向かって投げて、ゲストが拾うという。

お菓子撒き?

阿部名古屋などの東海地方では、元々「お餅撒き」っていうものがあって、それが派生して「お菓子撒き」になったんですけど。一本だけ「当たり」を入れていたんですよ。白いリボンが巻いてあるもの。新郎新婦様が消防士だったので、当たった人には新郎新婦様から「防災グッズ」をプレゼントして。

お二人の職業を活かして。

阿部「これでなにがあっても大丈夫!」って感じで。ゲストの方も喜ぶし、お二人らしい演出でした。

Chapter03 「アルバム」でサプライズ?

「初めて」のお客様

プランナーということは、打合せを経て、最後当日まで担当されますよね。

阿部初パーティーのときはもう……。涙が止まらなくて、前の日から泣いていました。

初めて担当されたお客様?

阿部初めてです。自分の初めての担当で、自分で初めて見学対応して、ご成約をいただいた方なので。

契約の部分も阿部さんが?

阿部契約もその方が初担当でした。なかなかないんです。たいていは「他のスタッフから引継いだお客様」なので、レアなケースらしいんですけど。私の場合は、契約もプランナーもどっちも初めてで、もう慣れない中じゃないですか。今思えば、打合せとかも正直グダグダだったりしたんですけど、お二人は「全然気づかなかったー」って言ってくれて。

いつ、お二人には「初担当でした」と伝えたのですか?

阿部当日最後に言ったんですよ。「実は契約もプランナーも、初めての担当だったんです」って泣きながら言って。そしたらお二人も「全然分からなかったです、ありがとう」って言ってくれて。

最初に出会ってから当日までって、どのくらいのスパンがあるんですか?

阿部人によってですね、本当に。

そのお客様の場合は?

阿部そのお客様はそんなに、半年もないくらいです。四、五ヶ月とか。思い出深いですね。

やっぱり初めては覚えてますよね。

阿部大変だったなって。

多すぎるカメラマン

全部初めてですよね。では、周りに助けてもらうことも?

阿部もちろんです。もちろん助けてもらいました。

そのときは「初めてだから」というのもあって?

阿部それもあります。お客様との打合せのときは、常に事務所に誰かがいて、私が事務所に帰るたびに「大丈夫?」って聞いてくれたり。いつでも相談できるように。

指差し確認じゃないですけど。

阿部「大丈夫? これ聞けてる?」みたいなことも言ってくれましたし。当日も教育係の先輩が付いてくれて、常にコントロールしてくれて。「阿部ちゃん、この時間はここにいなきゃいけないから」っていうのを全部確認してくれて。その初パーティーの後に「アルバム」をもらったんです。

アルバムですか?

阿部当日などに写真をこっそり撮られていたんです。

先輩に?

阿部そうです、先輩とか他のメンバーとか。

サプライズだったんですね。

阿部メンバー、みんなからのメッセージを集めてくれて、当日の私の写真とか、新郎新婦様と写ってる写真とか。

隠し撮りで?

阿部黙って、です。「なんかカメラマンさん多いな」と思ってたんです。でも、そんな余裕ないじゃないですか。まぁこんなもんなんだなって。

カメラマンさんが多い(笑)。じゃあ緊張してる顔とか?

阿部そうです、「インカムで話している真顔」がもうすっごい硬くて……。

なるほど(笑)。

Chapter04 フォーマットなき演出

お腹が痛い朝

お仕事をされている理由に「自分が感動したい」というのはありますか?

阿部自分っていうよりも「皆さんの笑顔を見たい」。「お客様が感動している現場に立ち会いたい」「その瞬間に一緒にいたい」って感覚です。

人生の大事なイベントですものね。

阿部緊張感がすごいんですよ。担当の当日は、朝はお腹痛いです。緊張感っていうか絶対失敗できないじゃないですか。いまだに慣れないですね。

今後、後輩にこれは伝えたいなとか、これは教えてあげたいなとか思うことはありますか?

阿部伝えたいのはやっぱり「ALL FOR ONE.」の精神ですね。

その理念のなかでも特に伝えたいものはありますか?

阿部もちろん全部なのですが、特に挙げるならば、「お客様が頂点」っていうところと、「プロフェッショナル」っていうところです。失敗は許されないわけで、お客様は結婚式のことはあんまりご存知じゃないので、自分がしっかりしないとって。

そうですよね。他の方の式に出席されることはあっても、ご自身の結婚式は初めてですもんね。

阿部だから、いろんな提案をしてあげられるように、日々考えています。他のプランナーの担当のパーティーでも見に行ったり。「あっ、こんな演出あるんだ」とか。

「ALL FOR ONE.」の他のパーティー?

阿部はい。「ボウ・デパール」の中で先輩の持ってるパーティーとか。「この演出なに?」って思ったら見に行ったりとか。

例えばどんな演出ですか?

阿部演出というか進行の組み方というんでしょうか。挙式の後、ガーデンパーティー、披露宴というのが普通で、私もそのパターンが多いんですけど。

「グダグダ」を避けたい

当日の進行方法ですね。

阿部神社など外の会場で挙式をされて、こちらでは披露宴のみ行われるお客様だと、ガーデンパーティーがなかったりするんですね。でも、先輩の担当のパーティーでは、そういった披露宴のみのお客様でも披露宴の中でガーデンに出たりしているんですよ。お色直し入場のときにガーデンから入場、ゲストも外に出てもらうとか。私からしたらちょっと難しい。時間の組み方とかも難しいので。

ゲストのみなさんの動きまで考えて。

阿部美しく見せなきゃいけないですし、どうやったらグダグダにならないかっていうのが、先輩はわかっているから。

美しく、グダグダにならないように。

阿部進行の流れもありますし、難しいです。

「これがうちのやり方なんだよ」みたいな感じではない?

阿部全然そういう感じではありませんね。

新人だと「フォーマット」を与えられると安心しますよね。

阿部私も最初はそうだったんですよ。ひと通りできるようになってきたら、「普通の進行」ばかりでやってて。それであるとき先輩に「阿部ちゃん、このお客様らしい演出ってなにか入ってるの?」って言われてハッと。みたいな。だから先ほども申し上げましたが「お二人らしい演出を入れる」っていうのを最近は意識しています。

Chapter05 会場を決める「条件」

「一貫性」の精神

最後に、「ALL FOR ONE.」として目指したいもの、ご自身がこうありたいなという希望を教えていただけますか。

阿部私たちは「一貫性」って言っているんですけれども、プランナーは最初にお客様が見学に来たときに対応して、打合せも担当して、そして当日も現場で迎える、っていうのがこの会社の流れなんです。でも、やっぱりどうしても偏りはあって、見学、対応に偏ってる人もいるし、打合せ、担当を持つ方に偏ってる人もいて。私はニュートラルでいたいんですよ、ちゃんとどっちもやっていたくて。やっぱり「ALL FOR ONE.」の精神が「一貫性」っていうところにあると思うので、本当に「最初から最後まで」しっかり見守りたいなというのがあって。プランナーとしては、そろそろ頼られたいですね。「下の子を育てる」って意味でも。

最初から最後までしっかり見たいという理由ってなんですか?

阿部やっぱりこう、嬉しいじゃないですか。一緒に作ってる感覚があるっていうか。全然違います、引継ぎのお客様とは。「もう、このお客様は今日で終わっちゃうんだ」って思って泣いたりします。披露宴が始まるときに泣けてくるんですよ。

思わず涙が……。

阿部寂しいですね。当日は嬉しさと寂しさとがあるんです。だって、いくらその後付き合いが残るといっても、そんなに会うことはないじゃないですか。

寂しいという感情も出てくる。

阿部まず、この会場を選んでくれた嬉しさもありますし。見学に来たときって、会場のよさだけで決めるんじゃないと思うんですよ。私を、スタッフを選んでくれてるってところもあると思うんです。だってプランナーさんが嫌な人だったらそこでやりたくないじゃないですか、どれだけ会場がよくても。逆に「会場がまぁまぁよかった、他のとこもよかったけど。阿部さんと一緒に作っていきたいから」って決めてくれる人も中にはいるんですよ。そういう方だと、本当に最初から最後まで見られてよかった、そして、寂しいって当日は思います。だから、もっと多くのお客様に選ばれるような存在になりたいですね。

「一緒に作っていきたいって人もいるんですよ。」 阿部美奈子

  • 01 新郎友人から「突然の提案」
  • 02 「らしさ」を引き出せ
  • 03 「アルバム」でサプライズ?
  • 04 フォーマットなき演出
  • 05 会場を決める「条件」